金石街道 中橋 カレーとコーヒーの店「貴婦人」
Date: 2012年3月8日
今日のお昼は金石街道の北陸本線高架下にある、カレーとコーヒーの店「貴婦人」へ。
中橋に昔からあるお店なので金沢の人間に聞くと、
「あ~、あそこ!」、
「かどの喫茶店、入ったことがない!」、
「あ、カレーの旨いあやしい喫茶店!」と、
返事はたいていのこの3つのうち、どれかが返ってくる。
この絵図ら正直、始めて入ろうと思ったときは躊躇した。
外観もそうやけど、ドアを開けて中に入るとスナックみたいなカウンターにビニールレザーのボックス席、そこは昭和の時代の喫茶店。懐かしい感じ。
目玉商品は、野菜ごろごろの「貴婦人カレー」。
カレーとサラダ、自家製プリンとコーヒーがついて900円。
ジャガイモ、ニンジン、お肉の切り方が豪快。貴婦人のカレーはスパイスが利いていて、角煮のようなゴロゴロしたお肉はスプーンで割けるくらいの柔らかさ。ゴロっとした人参とジャガイモも歯ごたえがあり野菜の甘さも引き立っておいしい。
それでいてじわ~っとおいしい辛さ、これが後から来る。
金沢カレー風ではない普通のカレー、やっぱりこれが一番美味しい、
食べた後も胃もたれなし。
コーヒーもサイフォン式の本格派。
今日はオーナーの中宮かおるさんに前から気になっていたプリンについて聞いてみた。
「何でカレーにプリンが付いてくるのか?」
実はこの話、貴婦人が好きで行く人、ほぼすべてが抱く疑問。今日はその疑問を直撃。
「昔は電子レンジもないしレトルトもない、だから何でも自分でつくらなあかん。
それでプリンはメニューに出してたの」
一回作るのに49個を一度に作る。
でも日持ちしないから作った分がはけるようにと、定食やカレーにつけたらしい。
「うちのプリンが一番おいしい!って言ってくれた男の子がいて、その子のためにも作り続けたかった」、とニコニコ顔。
ほ~なるほど子供の笑顔が見たくてか。
つづいて中宮さん。
「今は便利になって冷凍食品もあるし電子レンジもある、でも昔はそんなものないから全部手作り。
体によくないもの食べるのいややからお客さんにも手作りのものをだしたい。でも手作りやからいたむのが早い。このプリンも3日しかもたんの。」
さすが、つくり(お店)も料理も昭和のおもてなし。
通い続けたい一軒です。
続いてオープンして31年、店名「貴婦人」の由来について聞いてみた。
中宮さんの父親は元機関士で、機関車には特別な思いが。
お店の前の道路を作るのに周辺も立ち退きで、機関車が走ってた線路も今は高架に。
だから汽車にちなんだ名前にしたかったとか。
お店の入り口に鎮座する「C57」、守護神らしい。
C57には女王や貴婦人というニックネームがついて、店名を貴婦人に。
お父さんの思い出、このお店がレトロな理由はお父さんにちなんだ機関車なんです。
「貴婦人で」では、毎月11日を「カレーチャリティーの日」とし、この日はカレーの売り上げを東日本大震災の被災地でボランティアに取り組む、「金大・能登足湯隊」に寄付し続けてる。店の看板メニューで復興を"側面支援"しているのだ。
その介あってか毎月11日の「カレーチャリティーの日」には、多い月で30名以上のお客さんが温野菜やカツなどのカレーを食べに来る。