R157

国道157号線は金沢市の武蔵交差点から岐阜市の茜部本郷交差点に至る一般国道。
仕事・遊びにと、マイロードR157を通して一年の暮らしについて書いてます。

「自転車ネットワーク形成に向けた勉強会」参加レポート

Date: 2012年2月27日

昨日、自転車ネットワーク形成に向けた勉強会へ行ってきた。

自転車ネットワーク勉強会は、歩行者・自転車・クルマのそれぞれが安全に安心して通行できる道路空間の創出に向けて、学識者、国土交通省金沢河川国道事務所、石川県、金沢市、警察機関が連携を図りつつ、面的な自転車ネットワークの検討、試行、整備を継続的に展開していくために、国・県・市・警察・その他関係機関が取り組む自転車関連施策についての情報の共有化を図ることを目的として設立された協議会。
去年に続き。2回目の参加。

まず、金沢自転車ネットワーク協議会会長の高山さんと国土交通省金沢河川国道事務所所長 森本さんの挨拶で始まった。勉強会は3部構成になっていて第一部、自転車利用環境整備に関する金沢の取り組みについての発表から。

 

 

金沢市内における自転車走行調査について

国土交通省金沢河川国道事務所 調査第2課/鈴木 邦夫さん

トップは鈴木さん、この日最初のセッションが一番インパクトがあった。
自転車は「軽車両」であり、「車道左側端」通行が原則」、では道路状況はどうか?そして交通状況はどうか?
自転車走行速度と路肩幅員、そして自転車走行空間についての関係。そのベースとなる数値(3月中旬公開予定)を全国に先駆けて国土交通省金沢河川国道事務所が調査し、まとめたとの事。
本省へ提案し全国に広めてほしい。

金沢駅西50m道路の取り組み

石川県 土木部 道路整備課/山 道明さん

昨年10月の歩行者と自転車の通行位置を視覚的に分離する社会実験を実施し、その結果を受け現在5.5mある歩道を整備し、その歩道に自転車を上げるというもの。歩行者は2.5m自転車は3mに分離し通行位置を視覚的に分離する。 これはどうなのか?歩道から自転車を下ろせ!の号令のもと全国でいろんな試みが行われてるが、この流れに逆走するような感じがする。余計に混乱するのでは?そう思った。

県道東金沢停車場線自転車レーンの事後評価の取り組み

石川県 県央土木総合事務所 維持管理課/二木 美和さん

H22年3月に整備した自転車レーンについての事後評価。 小坂町からJR東金沢駅まで、自転車レーンを共用後に自転車走行指導帯の整備や自転車横断帯の移設等 石川県警と石川県の取り組みについての報告。現在の一番の問題点としては自転車レーンへの自転車通行が増加し、交差点では自転車と歩行者が錯綜している。
この状況を受け自転車横断帯を移設した結果、現在は改善されてるとのこと。利用者が増える新たな問題がでてくる、至極もっともな話。

中央小学校周辺地域における自転車走行指導帯の設置

金沢市 歩ける環境推進課/中山 哲也さん

金沢市ではH23年3月に「金沢まちなか自転車利用環境向上計画」を策定し、自転車の利用環境向上を図る施策を進めている。H23年度は特に自転車利用のニーズの高い中央小学校周辺地区を対象に約2.0kmの区間において「自転車走行指導帯」を設置し、歩行者・自転車・自動車それぞれの安全の向上を図った。自転車走行指導帯の整備にあたっては、道路幅員などその地域の自転車走行環境の状況を調査し、実施した。この地域を通勤圏としてる自分にとって、従前には考えられないほど安全が確保され、感謝している。これこそ金沢スタイルとして全国に発信してほしい。

地域住民(町会)と協働で行う歩行者・自転車・クルマの交通安全対策

地球の友・金沢/三国 成子さん

金沢市立中央小学校地区での取組み、
毎朝500台の自転車が通過します。多くの自転車が狭い道路を左右関係なく走っており、迷走・逆走も多く通学する子供達はもちろん、通行する自転車・クルマのも安全を求める声がわれわれ「地球の友・金沢」へ寄せられた。
地球の友・金沢はまず「地域の交通安全対策検討委員会」を立ち上げ、地域の関係者、交通安全推進隊、児童見守り隊の方々にも検討会メンバーになっていただき、このメンバーに加えて行政関係者、警察、関係する高校、小学校の先生にも参加し、議論を重ねアンケートを実施し、金沢市の「自転車走行指導帯」設置を受け、街頭指導を行い自転車の左側走行を周知した。
アンケートはダウンロードしてご覧いただけます。

金沢市公共レンタサイクル「まちのり」について

金沢市 歩ける環境推進課/中山 哲也さん

金沢レンタサイクル「まちのり」の社会実験を踏まえ、金沢市が実施する「公共レンタサイクル まちのり」についての報告。 まちなかに18箇所のレンタサイクルポートを設け、合計150台の自転車を分散配置する。ことで、どのポートでも自転車の貸出・返却が可能。 自転車を「個人利用の公共交通」として共同利用することにより①市民や来街者の利便性・回遊性の向上②まちなかの賑わい創出③環境にやさしまちづくり。 成功するんでしょうか?

自転車のルール・マナー向上の取り組み

金沢市 歩ける環境推進課/東 正彰さん

この日一番の地道なセッション、おそらく。
市内の小学校61校で88回、「小学校3年生自転車安全教室」を開催。印象に残った言葉が「どんなマナーが悪くてどんなマナーがいいか?」。なるほど子供はそこからか、いくらハードや設備を整えてもそれを使うのは人。
そして自転車ルール・マナー検定の開催、これはもう少しアピールして全国で開催されるような風を起こせないか?
もっと声高に避けんでもよさそう。

 

 

続いて第2部、自転車利用環境整備に関するこれからの取り組みについて

 

 

基調講演「自転車ネットワーク施策のこれからの方向」

東京工業大学/屋井 鉄雄 教授

東京工業大学 屋井教授、とてもフランクな感じがしたいい。
屋井教授はネットワークにこだわってるとか。日本の自転車道路交通政策の論点「理念、政策継続性を重視」、「策組み、自転車走行空間の計画及び設計・事業化のための法制度の確立」、「原則、自転車の走行空間を確立」を分かりやすく解説。そしてこの政策を実行するには一過性ではなく継続性が重要、続けること。
その為には自前のネットワーク計画を持ってることが重要。地方が実情にあわせて独自設計することが求められる。

金沢自転車走行空間整備ガイドライン(素案)

国土交通省 金沢河川国道事務所 調査第2課/杉本 敦さん

自転車走行空間整備ガイドラインの基本理念は「自転車走行空間は、「人中心の交通体系」を支える一つの手段」そして「人があらゆる交通手段を安全に利用できるよう、自転車走行空間整備の視点から、道路空間のあり方をしめす」。線ではなく面的な連続したネットワーク形成を目指す。
今回の「国土交通省 金沢河川国道事務所」報告がすごい、手元に資料があるがアップできないのが残念。
金沢からグローバルスタンダードを目指してほしい。

自転車の交通事故防止対策事故

石川県警察本部 交通企画課/寺瀬 秀昭さん

良好な自転車交通秩序の実現のための総合対策の推進についての報告
まずは、「自転車は”車両”であることを再徹底」。
主な内容は3つ。
・自転車走行環境の整備の推進
・自転車利用者に対するルールの周知と交通安全教育の徹底
・自転車利用者の交通違反に対する街頭指導取締りの強化
あと、サイクル・マナーアップ作戦についての話が。今はすぐに取り締まれ!取り締まれ!の大合唱、でも一人一人がマナーを守るのが先。

 

 

第3部の意見交換会にはあいにく参加できなかったが、全体的な感想はタイムテーブルに沿った議事進行が今後の課題かな?でも石川県で自転車環境に携わるベストメンバーが揃っての勉強会。自転車ネットワーク施策に関するテクニカルな話から交通安全教室などのイベント運営、そして地元住民とのコミュニティ形成までと、幅広いテーマの話を一度に聞けて大変勉強になりました。
講師の方々、運営の皆さま、ありがとうございました。

gbNobN

https://r157.appride.jp/cycle/%e3%80%8c%e8%87%aa%e8%bb%a2%e8%bb%8a%e3%83%8d%e3%83%83%e3%83%88%e3%83%af%e3%83%bc%e3%82%af%e5%bd%a2%e6%88%90%e3%81%ab%e5%90%91%e3%81%91%e3%81%9f%e5%8b%89%e5%bc%b7%e4%bc%9a%e3%80%82%e3%80%8d%e5%8f%82/trackback/