イラン映画『別離』
Date: 2012年5月2日
すれ違う思い、絡みあう秘密と嘘、
愛するものとの絆が、いま試される。
離婚の危機を迎える夫婦、つなぎとめようとする娘、そして、彼らの問題に巻き込まれていくもう一つの家族。すべては愛する人のために、守るべきもののために。それぞれが抱える“秘密や嘘”、胸の奥にしまわれた“真実”が複雑に絡み合い、彼らの人生を翻弄していく。
リアリティのある巧みな人物描写と、いくつもの伏線を張り巡らせた緊張感溢れるストーリー展開で、観る者は画面から一瞬も目が離せないほど虜に。
第61回ベルリン国際映画祭において、映画祭史上初の主要3部門〈金熊賞&銀熊賞(男優賞・女優賞)〉を独占受賞し、第69回ゴールデン・グローブ賞外国語映画賞受賞など賞レースを席巻、本年度第84回アカデミー賞には、脚本賞&外国語映画賞の2部門ノミネートを果たした話題のイラン映画『別離』を観てきた。
「もしも自分だったら…」、これが観終っての感想。
映画を観てる事を忘れるほど人物の描写がとてもリアル、”作り物感”をぜんぜん感じさせない。見事としか言いようがない俳優人の演技に拍手を送りたい。これはすごい、ホント。
そして緊張感の満載のストーリー展開、ぼさぁ~っと観てたら分からなくなる。
娘テルメーの将来のことを考え、イランを出る準備をする妻シミン。しかし夫ナデルは、アルツハイマー病を抱える父を置き去りにはできないと国を出ることに反対。夫婦の意見は平行線をたどり、シミンが裁判所に離婚申請をするが協議は物別れに終わる。
そして夫ナデルは父親の世話のために、妻シミンの義理姉の紹介でラジエーという女性を雇うことに。
一日勤めてラジエーは退職を希望、しかし急なので次が見つからず翌日もナダル宅へ。
その日にたまたま帰ってきたナダルが父親の様子に激高しラジエーを解雇する。そのもみ合いでラジエーは流産。
イスラーム法では、胎児は受精後120日目以降人間とみなされるため、ナデルが「殺人犯」として刑事裁判所に起訴されるかどうかの取り調べを受けることに。
ここから秘密と嘘が絡み合いエンディングへ。
宗教観と言ってしまえばそれまでだけど、このあたりは見もの。
「自分ならどうすべきだろうか?」
そして最後が気になる…
見ていない人のためにこのへんで。